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マイクロソフトのベンダーイベント。私はユーザー向けらしき2日目に行ってきた。というか3日目に行こうとしたら参加確認のお電話の人に「3日目は開発者向けなので、2日目の方がいいですよ」と止められた(笑)

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ちょっと雰囲気がつかめずにいたんだけれど、展示ブースは全体の一部分という印象。小部屋に分かれてのセッションがメインで、セッションからセッションへはしごする感じ。合間に展示ブースを見る。スタンプラリーのプレゼント競争率低そう……と思ったけど私もそこまで暇ではなかった(笑)MADOSMA欲しかったな。

KEYNOTE講演

マイクロソフトのWindows10を中心とした戦略、方針について。
Windows10のデモ。まだ使ったことはないんだけど、なかなか使いやすそうだった。スマートフォンや、Surface Hubのような電子ホワイトボードなど、さまざまなものをWindows10で結びつけようとしている。これによって「どこでも同じWindows」という状況はたしかに便利そう。
あとはCortanaさんですかね。

surface hub

液晶ホワイトボード的なアレ。JALが採用ということで動画。整備業務などの工程管理に使うという。これまでは特大ホワイトボードで、ベテランによる工程管理がなされていた。アナログだが、多業務専門にわたる工程管理には有効だった。ただし「共有できない」「個人に依存」といった課題はある。Microsoft Surface Hubによって共有し、全体最適することが見込めるという。まぁあとはソフトに何を使うかだけど、見た感じなかなか良さそうなソフトが動いていた。どこかで見覚えあるんだけど、あれはなんだったかなぁ。

プロダクティビティとビジネスプロセス

Yahooの事例が紹介されていた。「どこでもオフィス」といった状況について「なぜ会社に来るか、の説明がつかなくなっている」というコメントがなかなか印象的。たしかに、Yahooみたいな会社だと、オンラインでだいたいのことが解決しちゃうかも。うちみたいな製造業だと、現物あるからリアルサイトの存在意義ってあるんだけどね。
「会議よりも会話」のコミュニケーションが重要、という話もわかる。チャットとかそういう文化が伸びているよね。

マイクロソフトが提案するインテリジェントツール

「人が『なぜそれをしたいのか』を察知し気づきを与える」「クライアント側から分析を提案する」delve 分析ツール。
もうすぐexcel2016が登場するらしい。もうそんな時期ですか。デモでは、グラフを前に「未来を予測」と検索フォームに入力すると自動的に「グラフの将来予測」と判断し、グラフの状況を元に将来の上限・下限がグラフに追加された。なかなかすごい。

win10デモ

モバイルとの連携統合。Windows helloによる顔認識ログイン。たしかに認識早い。
「holo lens」視野全体を覆うディスプレイみたいな奴なんだけど、これによって現実の景色の中に立体を投影するVRみたいなことができる。3Dの建築モデルを前に、遠隔の人と協調的に協議をする、みたいなことが実現する。お前はSF映画かと。モデリングの製作というか投影位置の設定とかすげー大変そうだけど、その辺はどうなんだろう。プロジェクターの投影位置と台形補正でさえ、あたふたしてんのに。

インテリジェントクラウド

富士通では「牛専用牛歩計」を開発し、Azureで牛の発情期を予測することで育成効率を飛躍的に高めたのだとか。竹中工務店では「スマートコミュニティー」を目指し、都市計画に緻密なモデルを構築。
イントロンワークスはつくばの企業で、法律文書を自然文検索できるシステムを作っているという。

セッション「さくらインターネットで実現するHybridクラウドの構築〜専用サーバからWindowsAzurePackの構築まで」

「佐倉」「悪魔」と同じイントネーションなのね。上位10万サイトのホスティング15位に入っているのだそうな。ちなみにAmazonが2位だとか。
石狩の郊外型データセンターの紹介。北海道の外気を利用し、世界最高クラスの省エネを実現。効率がいい時期にはPUE1.1まで下がる。年間平均1.2。年間40日くらいは冷房が必要とのこと。
セッションの内容は、クラウドサーバーをプライベートクラウド、パブリッククラウドなど比較して必要に応じた構築を勧めるもので、なかなかよく整理されていた。AzurePackの辺りになると私には割とわかんない話だったけど(汗)

セッション 「ガリガリ君を支えるクラウド情報基盤」赤城乳業

赤城乳業の情報システム部長が登壇。昨年、LotusNotesからOffice365にシステムを変更したので、その際の導入プロセスを9 stepにわたって説明してくれた。非常にわかりやすく、また同じユーザー側の立場として参考になった。以下概略のメモ。

◆会社紹介

コーポレートメッセージ「あそびましょ。」アイス専業メーカー 従業員340名。埼玉県深谷。売上386億。最も知名度が高い「ガリガリ君」は2000年にリニューアル。一般小売り→コンビニ→量販店と販売チャンネルを変えながら成長を続けている。

1996年Notes導入
2003年Notes6.5にバージョンアップ
2015年Office365導入
社内ではグループウェア=Notesという認識が成立していた。およそ1年間で導入。

◆現状分析: 課題7つ

◇全社員へ情報を伝えるツールがない
社員全員にNotesのIDを与えていない。ID配賦率は全体の6割。残りは掲示板など。工場に閲覧環境がない。50人のうち管理職5台のみ。ライセンス料が高価。
◇Notesを見るには専用PCを持ち歩く必要がある。アプリのインストールとIDファイルが必要。
◇開発の自由度は高いが、そのためデータベースが乱立してしまった。必要なデータが取り出せない
◇ワークスペースが個人で自由に変更可能。情報の偏りが出てしまった。
◇新着情報などの共有がメール偏重。情報、タスクの一覧性が弱い。
◇iPhone100台導入したが活用できていない。2003年に導入したNotes6.5ではスマートフォンに対応していない。
◇サーバーの老朽化。9年。

◆要件整理

ヒアリング。各ユーザーが何を望むか。→必要となる46機能を選定
機能と利用者のマトリクスを造り、誰が何を必要としているかを明確にした。

◆RFP(提案依頼書)

4つのフォーマットを用意してベンダーに提案を依頼する。
◇提案依頼書(RFP)
◇機能要件
◇費用見積シート 各ベンダーの書式をそろえる。非常に重要。
◇QAシート QAする時は必ずこのシートを通す。

◆選定計画

◇1次: プレゼン
ベンダーにプレゼンしてもらい、情報システム部で評価。「プレゼン評価」と「将来性」の2軸。

◇2次プレゼン
ユーザー部門8名で評価。メンバーは平社員から次長まで、バラエティを持たせた。
3部構成で依頼。
・提案製品の選定根拠
・課題に対する解決案
・提案製品の実機デモ:一日の業務の流れに合わせて実機デモ。

◇評価
ワークフローに懸念。セキュリティの強化。

◇解決
シンプルでわかりやすいポータルを設計。
NextSet(サードパーティ)のワークフロー。
HDEone(サードパーティ)のセキュリティ。

◇最終選考(役員会)

◆設計開発

Notesのデータベースを1,000ほど移行。売上情報、新商品情報、社内イベントなどの動画をポータル画面で共有。

ExchangeOnlineをOutlookWebAccessに統一。クライアントOutlook禁止。予定表統一。
OfficeOnline。各種QA。新規質問をDelveで確認。

Skype For Business
在席情報が見える。インスタントメッセージ。ビデオ会議。デスクトップ共有。会議中などにすぐ在席中の相手に確認できることでスピードアップ。

仕入先との商談。両社ともOffice365導入済みの場合、SkypeOnlineでの会議が捗る。
SIerからのデモ。Skype会議の提案を受けた。デスクトップ共有。

◆移行

「基本、格納データの移行は行わない」大方針

◇ユーザートレーニング
みっちりと。
・座学
今のNotesの課題。Office365基本機能。

・ハンズオン
ログイン。メール。ポータル。予定表。Lync。
8会場23回説明会を開催。平均17人/回。

セッション「IT活用による障碍者雇用・就労」

今期から、人事・経理がらみの仕事が私の傘下に入ってきたので、参加してみたセッション。結果的に非常に面白かった。

周辺環境について

「アクセシビリティー活動」と呼んでいる。肢体障碍のある人にwindowsを使いやすく。すべての人がテクノロジーの恩恵を受けられるようにすることを目的に掲げている。
従業員50人以上の企業は法定雇用率2%を実現する必要があり、障碍雇用推進者を設定しなければならない。障碍者差別解消法が2016年4月から施行される。「差別的取り扱いの禁止」「合理的配慮」が盛り込まれた。

スクリーンリーダーソフトのデモ

マイクロソフトの全盲のプログラムマネージャーが登壇。普段はパートナー企業の技術支援、自社製品障碍者向けの機能改善を仕事にしているそう。

業務で利用している周辺機器を紹介。ディスプレイは使わず、スクリーンリーダー(画面読み上げ)ソフトを使う。ヘッドセットで仕事をしている。
点字ディスプレイ。8ピン46マス。ものによってはもっと長いマスが並ぶものもある。白いボタンで上下左右へスクロールしながら、文字を読むためのもの。
音声と点字の使い分け。大半は音声で操作できるが、コーディングで、音声ソフトが読み切れない時がある。その場合は点字で1文字ずつ読む必要がある。

スクリーンリーダー(画面読み上げ)デモ。「PCトーカー」というソフトらしい。

キーボードでの操作が基本。マイクロソフト製品はすべてキーボード操作で出来ることを確認してから出荷する。視覚障害者の中には、キーにシールを貼ってわかりやすくする人もいる。
文字だけでなくオブジェクト(チェックボックスなど)も読み上げてくれる。文字変換では同音異義語の解説もしてくれるので、「新保」も「あたらしいのしん、たもつのほ」のように読み上げる。
カーソルが当たっているところの機能を読み上げるんだけど、画面でグレーアウトして使えない機能のところでは低い声になるという。なるほど、そういう仕組みになってんだ。たしかに、読み上げない、だと存在そのものがわからないもんね。
ここで進行役が「普段はどんなスピードで使ってるんですか?」と質問し、スピード5からスピード9へ。な、何だと。まだスピードが上がるというのか。読み上げソフトが早口で何を言っているのか、だいぶ集中しないとわからない。

Skypeでの遠隔サポートデモ。遠隔から操作をしてその操作をスクリーンリーダーが読み上げる。これによって、自宅で仕事をしている視覚障碍者に対して、操作方法を伝えることができるという。

追加ソフトや機器でさまざまな障碍に対応

では聴覚障碍者の場合はどうか。リアルタイムの情報共有をサポートする必要があり、特に会議などが難しい。
音声認識で発言をテキストに自動変換する「富士通ライブトーク」のようなソフトが有効。

さまざまな形の障碍者に合わせて、適した入力インターフェースがある。
スイッチ。スキャン機能付きスクリーンキーボード。信号で文字入力ができる。Kinect for Windows。
Kinect for Windowsっていくらするんだっけ、と思って調べたら2万円台。何かに使ってみたい気もする。現在ではXBOX用にWindows用のソフトを追加して購入する形になるのかな?

Windows設定画面の「簡単操作」。「ナレーター」は簡易スクリーンリーダー機能。
スクリーンキーボード(ソフトキーボード)。マウスでサイズ変更できるので、「大きいキーボードがいい」タイプの障碍者も「小さいキーボードがいい」障碍者もどちらも利用しやすい。

視線入力。USB接続。一点を見ると赤い円が出てクリックできる。

セッション「IT活用による障碍者雇用・就労」まとめ

テクノロジーの活用、雇用者の知識と工夫で障碍者雇用がしやすくなる。かつてのように「大がかりな導入」は必要ではなくなってきている。一般的な機能に障碍者向けの機能を簡単に追加できる。

マイクロソフト品川オフィスでは、障碍者ワークスタイルについて秋に発表があるとのことで、これも楽しみ。

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