時間を入力するExcelを供給されたんだけど、あまりにしんどい仕様なのでちょっと解説してみることにした。
イメージを分かって頂くために一部だけ表示するとこんな同じ。
赤いセルは保護/ロックされていて編集不可能領域、青いセルは入力可能領域となっている。
たぶんこの妙ちきりんなフォーマットは、印刷して何かの読み取り機を通す前提なんだと思うけど、入力する人にはすごいストレス。
Excel方眼紙
まずセル幅セル高さがシートの全セルに設定されている。0.25cm(7px)の方眼紙。
そのせいで、Mac版Excelで開くとものすごく遅い。たぶん、全セルを再描画しているため。Windows版のExcelで開くとそれほど重くは感じない。
あんまり意識してない人もいるけど、Excelは「デフォルト」状態のセルと「編集済み」セルの扱いが違う。
編集済みの範囲(矩形)が大きければ大きいほど、処理に時間がかかる。最後のセルまで全部編集済みということは、全セルを描画しなければならない。その負担といったらない。逆にさらっと開くWindows版がどうかしている。
数字と数字が離れているのでリズムが悪い
横に0825を入力しようとすると、恐ろしく作業のリズムが悪い。
数字と数字の間に1列、または2列入っているために、Enterキーで余計な打鍵をしないと進めない。
数字と数字の間のセルがロックされている
打鍵が面倒なのでコピペしよう……と思ってもそれを許してくれない。「非ロックセル+ロックされたセル」をコピーすることはできるが、それを「非ロックセル+ロックされたセル」にペースト使用とすると「ロックされたセルを変更できません」と言われる。
つまり、必ず手入力しないといけない。
対応策
ことほどさように入力しづらいExcelファイルなのだが、指摘するだけでは何なので、どう改良したらいいのかお伝えしたい。
印刷範囲の外の行・列に設定された書式(セルの幅・高さ)をすべてクリアする
印刷範囲外の行をすべて選択して削除するのが一番手っ取り早そう。列も同じ。
こうすることで再描画処理が減り、Mac版でも快適に開くことができるようになる。
入力シートと印刷シートを分ける
これだけでだいぶ使い勝手が違う。シート1を入力用にして、こちらは普通に時刻を入力するフォーマットにしておく。ちなみにこれだと引き算するだけで時間を計算できるので、ゆくゆくは印刷して機械を通す手間さえなくせる予感がする……なぜExcelで入力したものを印刷して読み取っているのか……。
あるいは、どうしても印刷したいとか、表示書式を変更されるのが嫌なら、まぁ1桁ずつ入れていく方式でもいいが、現状よりはマシにできるはず。
印刷用シートは、数式でそれを読み込むだけだ。
このように入力用のシートを別にすれば、印刷用のシートは、文字と文字の間のセルがロックされていても問題ない。そちらをコピペする必要がないからだ。入力用のシートは自由にコピペさせてよい。
まとめ
何が問題かと言って、この入力方式が外部の人間に作業負荷を強いる点だ。社内はおそらくこの方式で何の不満もないのだろう。だから改善される見込みはない。ただ延々、外部の人間が入力する手間を強いられ、知らぬ間にヘイトをため込んでいる。
「印刷していることが非効率である」ということさえ社内では理解されていないかもしれない。
企業はこうした「非効率への不感症」をこそ警戒するべきだ。人はめんどくさいことが大好きな生きものなので。