Wordというのは、利用されている割に、使いこなしている人の少ないソフトである。日本の文書に合わないってことなんだろうか。
たしかに、段落と段落内改行の関係など、日本人の文書作成の感覚には合わないところがある。それにしたって「郷に入ってはGo ahead」であり、「欧米化!」とか言いながら欧米に右にならえするのが得意なはずの日本人が、Wordについては未熟なままなのを見ると、単純に使いにくいというかマスターしづらいものなのであろう。
そもそもちゃんとWordのデザイン構造を解説した本とかあんまりない。でも、ページの設定、スタイルの設定をきっちりやると、ある程度融通の利く、流用しやすく、改訂しやすい文書に近づけることができる。私も目下研究中である。
研究の成果として、以前Word2010でスタイルセットを作った。ところが、Word2013にしたところ、「スタイルセットの保存」という項目が見当たらなくなってしまった。どこ行っちゃったんだ、と思っていた調べたところ、「デザイン」タブに統合されたらしい。
Wordのスタイルセットを適切に使うには、「コンテンツとデザインを分離する」というHTML/CSS以降の潮流を理解していないといけない。
「見出し」というコンテンツと「黒太字24ポイント」というデザインが分離して扱われる。
「デザイン」タブはこのデザイン、つまり「見栄え」を扱うタブだ。この変更についてマイクロソフトの記事を見たら「ある種の人々にとって、スタイル機能は『青くてデカい文字が欲しい時』というレベルでしか使われていない」とあって、結局やっぱ海外でもスタイルセットを使いこなせるのは上級者の特権らしい。
While the styles gallery has been available on the Word home tab since Word 2007, some people just assume styles are meant for people who want big blue text.
→Word Blog – Changing your style in the new Word
でもこのデザインタブをちゃんと使いこなせば、綺麗な文書が作れるようになるはずだと思えば、少しはそれを学ぶ人も増えるかもしれない。